こんにちは、タツヤ(@xxodatatsuyaxx)です。
前回、反転授業のメリット・デメリットは何?卒論を書いたぼくが教えますという記事を書いたのですが、反転授業のメリットはたくさんあるものの、先生はじめ市町村・国にとっての負担が大きいということでした。
ただ、負担が大きいながらも、既に反転授業を導入している大学はありまして(その大学では導入していないが、先生次第では導入しているということもあります)、果たして反転授業が効果的かどうかが気になるところです。
例えば、ぼくの大学では反転授業を導入していなかったのですが、担当の先生が反転授業を実施していました。
そんな背景もあり、経験からも大学教育に反転授業が効果的かそうでないか考えることができるんですよね。
上記の記事では、”主な”反転授業のメリット・デメリットのみご紹介したのですが、実はまだまだメリット・デメリットはあります。
そこで今回は、それらを考慮しながら、反転授業は大学教育に効果的かそうでないかを考えてみたいと思います。
目次
反転授業が大学教育に効果的かそうでないかを考える前に、大学教育の現状について
反転授業が大学教育に効果的かそうでないか考えるわけですから、当然その大学教育の現状がどうなのかという前提も大事になってきます。
そこでこちらでは、一般的に言われている現状だけでなく、実際の経験から現状を考えてみます。
大学は形骸化している!?学生にやる気がないのはたしかだが、それ以前に問題もある
大学が形骸化しているということですが、ぼくが正直に思っていることです。
まあ、一般的にもよく言われていますよね。
「学生にやる気がないのは問題だ!」とそう言うこともできますが、ぼくはそれ以前に問題があると思っています。
それは、大学がどこを目指しているのかわからないということ。
これは、学生本人もそうですし、なんだかんだ先生も気付いているはずです。
学生としては、「こんなことを勉強して、将来にどう役に立つのだろう?」と思っているでしょうし、先生も「こんなことを教えても、どうせ真剣に勉強しないだろうなぁ」と思っているかもしれません。
就職する学生が多い中で、勉強していることがどう役に立つのかが大事になってきます。
大学は就職のためのところではないと思われる方もいそうですが、じゃあ何のため?というのが、学生の本当のところです。
これがまさに、大学がどこを目指しているのかわからないというところにつながり、結果形骸化しているというところにつながります。
先生にとってはショッキングかもしれませんが、やっぱり勉強=就職でありお金です。
今のぼくは特にそうですが、お金を稼ぐためにしか勉強することはありません。
逆に、お金を稼げないのに勉強をするって、何がしたいんだろうなとすら正直に思ってしまいます。
一見、拝金主義のように思えますが、ほとんどの社会人はお金を稼ぐ以外に勉強することはないかと思います。
まあ、多くの学生がこうなのかどうかはわかりませんが、近いところがあるのではないかと思うんですよねー。
形骸化の話は置いておいて、学生のやる気を上げることができない
先ほどの通り、大学がどこを目指しているのかわからない以上、「学生にやる気がないのは問題だ!」なんてのはナンセンスです。
ここでは、形骸化の話は置いておいて、学生のやる気を上げることができない現状についてです。
どうやら以下のような図式があるようなんですね。
会社が大学の成績をあまり評価しない→学生は大学の勉強にやる気にならない→先生もやる気にならない
事の発端は会社です。
別に会社が悪いとかそういうことではなく、会社としてお金を稼ぐためには、少なくとも大学の勉強はあまり大事ではないということでしょう。
先ほどの通り、学生としてはどうしても就職の方が勉強より大事です。
これは当然でして、勉強しても就職できなかったら意味がないからです。
結果、勉強にやる気が出ません。
そしてその結果、先生にも影響してきます。
学生は授業に休むし勉強しないし、先生もやる気が出ないわけです。
まさに、大学は形骸化しているということなのでしょうね。
反転授業は、今の大学教育に効果的であると考える理由
正直なところ、大学が形骸化しているのは、会社が学生に求めていることと合っていないからとしか言い様がありません。
ですから、そんな大学の教育をどうこうできるのか?という議論がありますが、こちらでは、その議論は置いておきます。
反転授業は、実習はじめ21世紀型スキルを養成する大学の授業に効果的である
以下でもご紹介しますが、反転授業はやる気を上げ学力を上げることができるだけでなく、実習はじめ21世紀型スキルを養成する大学の授業に効果的だと思っています。
21世紀型スキルということですが、具体的には以下です。
・情報創造力(こと創り)
・批判的思考力
・問題解決力
・コミュニケーション力
・プロジェクト力
・ICT活用力等
ブルームの目標分類学を参考にすると、これまでの大学の授業では、「知識」と「理解」にしか時間を割けていませんでした。
ただ、21世紀に必要なスキルは違います。それより高度な「応用」・「評価」・「創造」といったスキルが必要になってくるわけです。
これまでの大学の授業では、時間の都合上「知識」や「理解」といった比較的レベルの低いことにしか時間を割けなかったわけです。
ただ、以前書いた反転授業のメリット・デメリットは何?卒論を書いたぼくが教えますの記事でもご紹介させていただいたのですが、反転授業は時間を増やすことのできる枠組みの一つだということでした。
これはつまり、よりレベルの高い「応用」・「評価」・「創造」といった21世紀に必要なスキルに時間を割けるということでもあります。
だからこそ反転授業は、実習はじめ21世紀型スキルを養成する大学の授業に効果的だと考えているんですね。
反転授業は、大学生のやる気を上げ、学力を上げるのに効果的である
反転授業は、授業前に動画を視聴し課題を提出し、授業でグループワークをする授業形式です。
先生次第なところもありますが、基本的にはこれです。
実は、ぼく自身反転授業を受けたことがあります。
大学でもそうですし、ネットスクールという簿記の学校でもそうです。
そんなわけですが、授業前に動画を視聴し課題を提出するので、理解が深まるだけでなく、多少なりとも興味が出ているものです。
以前は興味がなくても、動画を視聴し課題を提出してみると、少しだけでも興味が出ているのは面白いなと思いました。
当然、興味が出ればやる気が上がりますし、やる気が上がれば、学力が上がるものです。
そんなわけですから、反転授業は、大学生のやる気を上げ、学力を上げるのに効果的だと考えているわけです。
まとめ
今回は、反転授業は大学教育に効果的か?卒論を書いたぼくが考えましたということでしたが、ポイントは2つ。
・実習はじめ21世紀型スキルを養成する大学の授業に効果的である
・反転授業は、大学生のやる気を上げ、学力を上げるのに効果的である
前回の記事では、反転授業は応用やコミュニケーションスキルをはじめとする21世紀型スキルのための時間を増やす枠組みだということでした。
小中高だと受験がありますのであれですが、大学であれば21世紀型スキルを養成する時間はありますし、むしろそのための大学であるべきなのかもしれません。
まあ、学生にやる気がなければ、応用の前の基礎ができていないでしょうから、それも難しいんでしょうけどね。
ただ、反転授業で学生のやる気を上げることのできる可能性が高いので、結果学力も上がることでしょう。
21世紀型スキルのために反転授業を使うもよし、基礎学力を上げるために反転授業を使うもよしです。
それもこれも、反転授業があればこそですよね。
参考になれば幸いです。