こんにちは、タツヤ(@xxodatatsuyaxx)です。
まさかのまさかですが、大学の卒論は反転授業についてでした笑
外国語大学だったのですが、ゼミは教育についてのゼミだったんですね。
それはさておき、反転授業って最近話題ですよね?
もしかしたら、ぼくや教育者の間で話題なだけかもしれませんが、それもこれも教育にとって革命になるかもしれないからです。
卒論では、アメリカの反転授業のケースと日本の反転授業のケースを比較しまとめたわけですが、結局のところ良いか悪いかわかりませんでした。
と言いますのも、アメリカや日本だけでなく世界的に反転授業のデータが少なく、たしかにメリット・デメリットはわかっているのだけれども、検証に問題があるからです。
結局はデータが少ないというところに落ち着くのですが、数年に渡って検証されているケースが少なかったりします。
ですので、たしかにその年の成績なりなんなりは上がったのですが、たまたまかもしれませんし、そうじゃなかったのかもしれませんというところで、わからないんですね。
ただ、反転授業のメリット・デメリットに関して、今のところこうですよというのはわかっているので、今回はそちらをご紹介します。
目次
間違えて解釈されがちな反転授業。改めて反転授業とは何か?
こちらの記事をご覧になっていらっしゃる方は、少なくとも反転授業とは何かを知っているかと思います。
一般的に、授業前に動画を視聴し課題を提出し、授業でグループワークをするといった解釈かと思いますが、いかがでしょうか?
間違った解釈ではないのですが、それらは反転授業のメリットの一つでしかないと、アーロン・サムズとジョナサン・バーグマンは言います。
アーロン・サムズとジョナサン・バーグマンは、反転授業の先駆者と言われるような方で、反転授業という本を出版されています。
彼らによれば、反転授業の目的は「ワンクエスチョン」に集約されるということです。
「ワンクエスチョン」ということですが、簡単に言えば、先生はどうやって授業の時間を最大効率化できるかという問いです。
これまでの授業時間のほとんど全ては、レクチャー形式の授業に使われていたわけですが、これは本当に授業時間を最大効率化しているのかどうかということですよね。
もし、この問いにイエスと答えられるのであれば、それはそれでいいわけですが、そうでなければ問題です。
そして、授業の時間を最大効率化させるための一つの枠組みだとされているのが、ご存知反転授業というわけなんですよね。
つまり、反転授業=授業前に動画を視聴することのような単純なものではなく、授業時間を最大効率化させるための一つの枠組みだということです。
事実、動画じゃなくでも反転授業をできるとおっしゃる方もいて、本をはじめとする他の媒体でもできるとのことです。
反転授業のメリット
一部では、あれこれ批判のある反転授業ですが、たくさんのメリットがあることもわかっています。今回は、その主要なものをご紹介します。
ちなみに、今回は日本という文脈にのみ焦点を当てたものをご紹介します。
日本という文脈ということですが、日本では、個別型の学習というより集団型の学習が圧倒的に多かったりします。
ぼくもそうでしたし、おそらくあなたもそうだったかと思います。
このように、海外で反転授業を実施する目的と、日本で反転授業を実施する目的が違ったりするんですね。
ですので、そういった前提でご紹介していきます。
反転授業で、応用のための授業時間を増やすことができる
日本で反転授業を実施する最大の目的は、基本的に「授業の時間を増やすことができる」と思っていただいても構わないかと思います。
授業の時間と言うと少し語弊があるのですが、具体的に先生と生徒が顔を合わせる授業の時間のことです。
と言いますのも、これまでの授業の時間はレクチャー形式の授業にのみ使われていました。
ただ、授業前に動画を視聴すれば良いだけですし、貴重な先生と生徒が顔を合わせる時間を、もっと応用のために時間を使えば良いですよね?というのが根底にあります。
そして、そのために反転授業が有効なんじゃないかというわけです。
反転授業で、コミュニケーションスキルをはじめとする21世紀型スキルのための時間を増やすことができる
21世紀型スキルはご存知でしょうか?
簡単に言えば、21世紀に必要とされるだろうスキルのことですが、具体的には以下です。
・情報創造力(こと創り)
・批判的思考力
・問題解決力
・コミュニケーション力
・プロジェクト力
・ICT活用力等
背景にあるのは、知識を暗記していることの重要性の低下です。
「ググる」なんて言葉がありますが、まさにググればわかる知識はたくさんあります。
例えば社会ですが、年号を暗記する必要が果たしてあるのか?というわけです。
ぼくは、はっきり言ってないと思っていますし、世界的にもそうでしょう。
それよりも、コミュニケーションスキルをはじめ、知識を使って何かを創造する方が、はるかに必要とされるスキルでしょう。
理由は簡単で、それが付加価値というものだからです。
当たり前ですが、付加価値のない物やサービスは値下がりします。
当然国力も衰えます。
だからこそ、21世紀型スキルのための時間を増やす枠組みとして、反転授業が有効なのではないかというわけです。
ただし、日本には受験があります。
受験自体は良いかと思うのですが、これからも暗記を求める受験であれば、21世紀型スキルのための時間は取れないでしょう。
今の日本の文脈であれば、受験のための時間を増やすのが反転授業でしかないのかなというのが実情です。
反転授業のデメリット
これまでは、反転授業のメリットをご紹介してきたわけですが、当然デメリットもあります。
そこでこちらでは、反転授業のデメリットをご紹介します。
先生はじめ、市町村・国にとっての財政的な負担が大きい
果たして検証が正しいのか正しくないのかはさておいて、反転授業はメリットの方が大きいとされているのが主流ではないかと思います。
もちろん、教育という側面からもそうです。
少なくない方が、教育という側面から反転授業のデメリットを指摘されていますが、それ以上に先生はじめ、市町村・国にとっての財政的な負担が大きかったりします。
例えば、授業前に視聴する動画を作成するにしても、誰が作るの?という話です。
当然、先生や業者さんなのですが、負担になるわけです。
ただでさえ時間がない先生が動画を作成できるかは微妙ですし、業者さんに依頼するにしても、やっぱり負担になります。
また、そもそもwifiが整備されていないので、それを整備しなければいけません。
その負担も相当なものになるはずです。
先生としての役割が変わることへの負担が大きい
反転授業ですが、先生としての役割が変わるのではないかと言われています。
「檀上の聖人」ではないですが、これまでは上(=先生)から下(=生徒)へ教えてきたわけです。
ただ、これからは授業を管理するファシリテーターとしての役割になるのではないかと言われています。
つまり、これまでの役割は授業前に視聴する動画に任せて、これからの役割は授業を管理していくということです。
実際、学校以外ではこのような流れが出てきており、ネットスクールという簿記の学校はまさにこのようなかんじ。
実際勉強したことがありますが、ファシリテーターとしての先生はなかなか良いものです。
一方、反転授業はこれまでとは全く異なる授業形式ですので、反転授業に適応する負担が大きいとも言えます。
単純に動画作成しなければいけないだけでなく、その後の課題から授業からたくさんすることがあるわけです。
当然、授業内での教え方はじめ、これまでとはぜんぜん違うでしょう。
まとめ
今回は、反転授業のメリット・デメリットは何?卒論を書いたぼくが教えますということでしたが、ポイントは4つ。
・反転授業は、応用のための授業時間を増やすことができる
・反転授業で、コミュニケーションスキルをはじめとする21世紀型スキルのための時間を増やすことができる
・先生はじめ、市町村・国にとっての財政的な負担が大きい
・先生としての役割が変わることへの負担が大きい
話題の反転授業ということですが、今回ご紹介しなかったメリット・デメリットはまだあります。
ただ、今回ご紹介させていただいものは、中でも主要なものです。
メリットとしては、応用やコミュニケーションスキルをはじめとする21世紀型スキルのための時間を増やせるってことですね。
これまではレクチャー形式の授業でしたので、21世紀型スキルはおろか、応用のための授業時間すらありませんでした。
ただ、反転授業はそのための時間を増やす枠組みの一つなんですね。
また、デメリットとしては、先生はじめ市町村・国にとっての財政的な負担が大きいことや、先生としての役割が変わることへの負担が大きいということでした。
これに関しては、未知数というのがぴったりでして、wifi整備はじめ一体どうなることやらです。
おそらく、大きくは変わらないんでしょうね。
いずれにせよ、反転授業のメリット・デメリットはいかがでしたでしょうか?
日本にも反転授業の導入が加速するかどうか、少し楽しみです。
参考になれば幸いです。