赤毛のアンのあらすじや感想を短く詳しくまとめました!

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「赤毛のアン」を知っていますか?

聞くまでもないですね。ストーリーは知らなくても、タイトルを知らない方はいないと思います。幼い頃、夢中になった方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。

 

 

「赤毛のアン」は孤児院出身のちょっと変わった女の子が、立派な女性に成長するまでの話です。

子供向けですが、大人になって見てもおもしろいんですよね。十九世紀後半のカナダという時代背景が理解できるため、子どもとは違った視点で楽しむことができます。

 

 

アンが起こした数々の事件を覚えていますか? 思い出せないという方も、そもそも知らないという方も、これを機に「赤毛のアン」という作品に触れてみてはいかがでしょうか。

アンがグリーンゲイブルズに引き取られた経緯

マシューとマリラは畑仕事を手伝ってくれる男の子が必要だと考えていました。そこで、孤児院から男の子を引き取ることにします。

ところが、孤児院が寄越したのは女の子のアンでした。性別を間違えるなんて、普通はありえませんよね。

しかし、舞台は電話が普及していない十九世紀。伝言ゲームの末に、手違いが起こってしまうこともあったようです。

 

 

マシューとマリラは、予想外の事態に戸惑います。アンを孤児院に返そうとさえしました。

ですが結局、マシューとマリラはアンのことが気に入ってしまいます。

アンはつまらない日常を美しく輝かせる天才でした。りんごの並木道を「喜びの白い道」と名付けたり、庭の木を「雪の女王」と呼んで挨拶したり、ガラスに映る自分に友達のように話しかけたり、アンの手にかかれば世界の全てが詩のように煌めきます。

これには、彼女の恵まれない生い立ちが深く関わっていました。

 

 

アンの両親は高校の教師でしたが、赤ん坊の頃に二人とも病死してしまいます。身寄りのないアンは、経済的に苦しい家庭を転々とした挙句、孤児院に入ることになりました。

子供の頃から労働力として当てにされ続ける日々は、どれほど辛かったことでしょう。

アンの想像力はこのときに鍛えられたのだと思います。

 

 

アンはこれまで引き取ってくれた人たちのことを、決して悪くいいません。辛く当たられることもあった。でも、良くしてくれる気があったのは確かだから、そう思えばなんてことないわ、と笑顔で言うのです。

マリラは、アンのそのあたりに惚れ込み、引き取ることを決意したのだと思います。

 

 

失敗が多かった少女時代

アンの芯の強い性格は、長所であると同時に短所でもありました。

学校へ行きはじめ、友達もでき、少しずつ村に溶け込んでいくアン。ですが、その過程で次々と事件を起こしてはマリラを呆れさせます。

それらすべてを挙げていたらキリがないので、今回は私的に最悪だと思う事件を三つ紹介させて頂きます。

 

 

髪染め事件

マリラが留守の間に、アンの髪の毛が緑色になってしまいました。原因は、セールスマンから購入したインチキ商品です。

この髪染めを使えば美しい黒髪になる。赤い髪がコンプレックスだったアンは、その謳い文句に騙されて購入してしまったというのです。

 

 

マリラは呆れながらも、染料を落とそうと努力しますが、まったく落ちる気配がありません。

髪を切ってしまうしかないと告げられたアンは、泣きながらそれを受け入れます。現代では女性のショートカットなんて珍しくもなんともないのですが、十九世紀のカナダでは、かなり勇気のいる髪型だったのでしょうね。自業自得とはいえ、同情してしまいます。

 

 

アンは見栄えばかり気にしてしまう自分に深く反省し、赤い髪でも長くてたっぷりあったのだから恵まれているのだと気づくことができました。

 

 

ギルバートに対する暴力事件

アンが同級生のギルバートの頭を叩きました。

しかも素手ではありません。ノート代わりに使っていた石板で、それが砕けてしまうほど思い切り叩いたのです。

 

 

原因は、ギルバートがアンの赤い髪を、人参のようだとからかったことでした。

ギルバートとしては、女の子の気を引きたいだけだったのでしょうが、地雷を踏んでしまいましたね。

 

 

怒鳴っても叩いても、アンの癇癪は収まりません。先生がギルバートは叱らず、アンだけに罰を与えたのも良くありませんでした。

その日から、アンはしばらく学校を休んだし、ギルバートがどれだけ謝罪しても決して許しませんでした。

意地を張り続けたアンがギルバートと和解するのは、五年も後の話になります。

 

 

命令ごっこ事件

アンが屋根の上を歩こうとして、落ちてしまいました。

そもそも、なぜ屋根に登ろうと思ったのでしょう。

 

 

それは、ダイアナが招待してくれたパーティーでの出来事でした。当時男の子のあいだで流行っていた「命令ごっこ」が、女の子の間でも流行り始めました。

ルールは簡単。命令されたことを実行するだけです。

ただ、その命令が少しだけ難しいんです。例えば木に登れ、という命令を受けたとします。木登りくらい女の子でもできますよ。でも、毛虫とか出たら嫌じゃないですか。そこを頑張れるか、というゲームです。

別に命令に背いてもペナルティはありません。その子の面目が潰れるだけです。

 

 

ごっこ遊びを続ける中で、命令の内容は少しずつ過激になっていきました。負けず嫌いのアンは、友達と衝突した末、屋根の上を歩けという命令を受けます。

アンは受けて立ちました。梯子を使って屋根に登り、歩き始めます。そして、半分も歩き終わらない内に落ちてしまいました。

 

 

幸い、命に別状はなかったものの、足首を酷く痛めてしまいます。

その後、アンには自分がしたことを悔いる時間がたっぷりと与えられました。なにせ、一か月半もベッドでの生活を強いられたのですから。

 

 

他にも、友人に誤って酒を飲ませてしまったり、塗り薬が混ざったお菓子を客に出してしまったり、穴があいた小船に乗って溺れかかったりと枚挙にいとまがありません。

おかげでマリラは、二ヶ月なにも起こらないだけで、そわそわするようになりました。そろそろアンが何かしでかすはずだ、と。

こんなことで本当に立派な女性になれるのでしょうか。

 

 

失敗を糧に成長するアン

アンは人より多く失敗しましたが、その分多くを学ぶことができました。

特に、ギルバートを石板で叩いた一件はアンにとって大きな糧になりました。勉強のできるギルバートに負けまいと努力し続けた結果、クィーン学院に合格することができたのです。

翌年には、そのクィーン学院も首席で卒業。大学への奨学金まで手に入れてみせます。

マシューとマリラはどれほど鼻が高かったことでしょう。

 

 

結局、マシューが急死し、マリラが失明してしまったため大学への進学は断念することになりました。

が、それだって悪いことばかりではありませんでした。ギルバートが教師の席を譲ってくれたことがきっかけで、二人は仲直りし、友達になることができたのです。

人生に無駄なことなんて一つもない。アンの生きざまは、私をそういう気持ちにさせてくれます。