重いうつ病に罹っている人は、ひどい疲れが残り、体がだるいという疲労感・倦怠感や入眠困難・早朝覚醒・熟眠障害を抱えています。
私もそのような症状で悩んでいます。数十年前に発症したこの病気!何もやる気がせず、動くのが億劫です。当時まだちゃんと働いていた頃は、朝出社の時刻が近づくと胸がドキドキし、欠勤する理由がどこかにないか、誰かの葬式でもないか、と考えたものです。
ひどいときには、日曜日の夕方に始まる「サザエさん」が始まると、急に気分が落ち込み「あ~あ明日仕事だ」との気持ちが高まるため、チャンネルを急いで変えたものでした。「出勤」を連想させる事柄を全て排除したかったんです。当時、このような症状を「サザエさん症候群」と名付けられ、週刊誌にその克服法がいっぱい記載されたのを記憶しています。
当時、現場監督をしていた私が、一番困ったのは、「風呂に入りたくない!入らない!」でした。今は、何とか入浴してますが、どうしてそんな気持ちになるのか、それは克服できるものなのか、これを私の経験からお伝えしていきます。
目次
風呂に入りたくない気持ちは、重度のうつ病です
私が現場監督で、作業服や身体がひどく汚れるのに、風呂に入らなかったのは、自宅に帰ると身体のひどい疲労感や家へ帰っても取れない精神的肉体的緊張感が原因でした。
なにもかも億劫で動こうとする気がない。うつ病的性格の生真面目さ・責任感の強さが裏目に出たケースです。
仕事の工程を1週間先まで読む!完璧性を求め、人がそう実行しないと腹立たしい、これじゃうつ病になるわな、そんな感じでした。辛かったです。
ところで、「メッツ」という言葉をご存知でしょうか。
メッツとは、安静時(横になったり座って楽にしている状態)の値を1とした時と比較してその作業が何倍のエネルギーを消費するかというものを数値化し比較するものです。
それによると、体重70kgの人で、20分「入浴」するとメッツ42、「シャワー」をするとメッツ63となり「一般的入浴」では、メッツ105となります。これは、水泳の平泳ぎを10分やったのと同じです。これは疲れる!
子供の頃、授業で水泳をし、それが終わった後の「けだるさ」そんな感じなんです。
気分が落ち込み、体がひどく重いうつ病の人にそんなことできる訳ありませんよね、本当に(私も含めて)
昔の私は、仕事のストレスからくる重度のうつ病だったのです。それで会社も辞めました。
風呂に入りたがらない人が家族にもいる
よく観察してみると、うつ病でもないのに風呂に入らない家族がいます。日曜日の夜遅くまでテレビを見て、サッサと寝込む。月曜日の朝、出勤の15分前になって朝シャワーする。
時間管理ができず全てを明日に持ち越す、そういった家族いませんか。
うつ病の患者さんもその悪い影響を受けて、それが習慣となり「風呂に入りたくない傾向」が身に付いてしまったと考えられる節があります。
問題は、時間管理のできない家族の根底に有る「考え方」です。面倒くさい、仕事のことを考えたくないなどなど。
これは、軽いうつ病ではないかと思っちゃいます。知らないうちにうつ的考え方に染まっていくのです。そのような家族に自分の治療のために協力して!というのは、基本的に健康な考えになってもらわない限り無駄と言うものです。私は、残念ながら食事・洗濯以外の事は、何も求めませんでした。
どうやって風呂に入りたくないという気持ちに対抗するか、一つの案
社会人として人に好まれる条件は、清潔なこと・うそをつかない・誠意があることなどです。
つまり、人に好かれるには、清潔でなければいけないのです。何週間も歯を磨かない(私もそうでした、食べ物のカスが前歯をおおうほどです)、汚い服を着ている、精神的に健康なシンボルである頭が脂臭いでは人に好かれないのです。
相当つらいでしょうが、家の窓を開け窓の前に立ってご近所の人に挨拶をする「こんにちわ」それだけでいいのです、それ以上は心の負担となります。言ってみましょうね。
人に合うために、髪の毛を整え、服をちゃんとし、きれいな顔をして清潔感を与えようと誰もがするはずです。
人間には「集団性」といって、どこかの集団に属して安心したいと言う本能があります。ご近所とつながっていたいという本能を利用することです。入院する程でもない、うつの方なら苦しいでしょうが何とか数日に1回はできるんじゃないかな。
これは、私にとっては有効な方法でした。部屋から出る気がしないので、天気のいい日に窓を開けているとおじいちゃん同士が世間話をしている。何だろうとと思って顔を出す、そして挨拶をするために少なくとも髪の毛を整える、汚い格好が恥ずかしいなと思う、ちょっと風呂でもーーー。こういう具合で風呂に入る動機づけをします。
そして、ゆっくりですが、風呂に入ろうという気持ちが芽生えてきます。
うつ病の人が風呂に入りたくなる一つの案の要点
うつ病に苦しむ人が、風呂に入りたくない気持ちは、自分もそうだっただけに痛いほどわかります。努力して風呂に入るようにしよう、というのは無理です。そんな気持ちがある人は、うつ病ではないよですよね。
それでまず手順として、
①無理のない範囲で、人に合う
人に合うためには、礼儀としてのそれなりの身支度が必要です。そのために清潔にしようと気遣いをするようになり、風呂に入っておきたいなと考えます。結果につながらなくても風呂に入る動機づけを確立しましょうね
②体力を消耗しない入浴方法を自分なりに実践する。
前述の「メッツ」によれば、入浴は大変疲れる行動です。その経験つまり疲れる・やる気が更になくなってしまう、があるので風呂に入りたがらないんです。
そのために、メッツの値を下げるつまりエネルギーの消耗が少ない入浴方法をとる。例としては風呂桶にはつからず、短時間だけの温めのシャワーにする、温かいタオルで拭くだけにするなどといった具合ですね。
何もする気が起こらないけど、この状況を打開したいと願っている方、最初は辛い!辛いですが一度実践してみませんか。
私のこの一つの提案がマスターできれば、大きな自信につながり、次のステップヘ進む突破口が開かれるのです。
どうか、「お風呂に入りたくない」という気持ちを克服できるようゆっくりとこの案を実施してみてくださいね。